インドからやってきた「あのお方」

今年もいよいよ残すところわずかですsign01 早い、早い。時が経つのは早いです。でもぎっしりと中身のある1年となりました。多くの方との新しい出会いがあり、また、あらためてそのご縁に感謝する、そんな1年でした。今後の芸術活動や普段の生活に向けた課題も明確になってきています。人生も踊りと一緒で常に修行。いや、人生の中に踊りがある。。。踊りの中にも人生がある。。。

今年はインドからスラバニ師匠が来日され、嬉しかったです。企画したKathak workshopも好評でした。今後も、更に役立つ内容で企画したいと思います。そのときに師匠と一緒に拝見したパントマイムの清水先生の舞台からも本当に多くのものを「いただき」ました。どんな芸術でもそうですが、本物の放つエネルギーとメッセージはすごいですね。そしてあの謙虚さ。実るほど、頭を垂れる稲穂かな、です。清水先生、そしてスラバニ師匠をはじめとするインドにいる3人の師匠と出会えたことは、私にとっては奇跡です。

そして、今年の夏、もう「ひとかた」インドから訪問者がいらっしゃいました。。。。何の前触れもなく。。。。突然に。。。。

知人が、色々な経緯を経て、住む家を無くしました。シングルマザーで、1歳になったばかりの子を抱え、夜逃げ同然で最低限のものをダンボールに詰め込んで「家」を出て、しばらく親戚の家に身を寄せることになりました。私にできることは、次の家がみつかるまでの間、その荷物をいくらか預かってあげることと、数日我が家で過ごしてもらうことくらいでした。思考能力がほぼゼロの状態でダンボールをうちの倉庫に詰めていく彼女が、「あ、どうしよう。。何かの金属でできた置物があるんだけど、このまま倉庫に入れて大丈夫なのかなぁ。。。変色しないかなぁ。。。」とつぶやきました。何だか見せて、という私に、ゴソゴソと取り出して見せてくれたのは、何と

ナタラージ Dancing Shiva

だったのです!そう、カタックに限らず、インドの古典舞踊を踊る者にとって一番尊い神。私の家には実はNatarajの像はないのです。インドから日本に帰るたびに買って行きたい、という思いに駆られるのですが、いつも衣装やら楽器やらで重量オーバーし、得意のベンガル語とベンガルのサリーで空港のオジサマたちに愛想を振りまきcoldsweats01、何とか片目をつぶっていただいているので、あきらめていたのです。だって、「軽くするために何か捨てなさい」と言われて捨てられるものはないですから。。。。そして、本心を言えば、私にはまだShiva神を迎え入れる心の準備ができていませんでした。わかる方にはわかっていただけると思います、私の言いたいことが。

でも、インドに行かれなかった今年は、Shivaの神様のご加護を受けたいという願いの強い年でした。そこに、ひょっこりといらっしゃった。。。。最初はびっくり、というよりも鳥肌が立ちました。感謝の思いが湧き上がりました。彼女は別にインドの芸術に関係のないことをしている子で、旅行にいったインドでたまたま買ったらしいのです。Shivaが私たちにとってどれだけの意味を持つ神様か知りません。彼女があのときこの像のことを言わなかったら、そのまま倉庫に今も放置されたままでいらっしゃたでしょう。「Shiva神が私のもとにきてくださった。見守ってくださるという意思を伝えてくださったのだ」と、思い上がりのようではありますが、私はそう感じました。「この像だけは私の家の中に置かせてね」と言って、彼女から了解を得ました。

シバ神は「破壊と再生の神」と言われます。今年はそれを身をもって感じる一年でした。破壊なくして新しいものは生まれない。先日、立花隆が癌という病気のなぞを解く姿をとったドキュメンタリーをやっていましたが、そのときにも同じことを思いました。人間は永遠に生きることのないようにできてるのでしょう。人間に限らず、命を持つものはすべて。肉体的にも精神的にも傷ついたり、壊れたりしていくことが実は生きていくことにつながる。壊れるということがそのものの存在の証なのではないか、そんな気がします。

来年インドに行ったら、Shivaの像を持ち帰りたいと思いますhappy01

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「アリ地獄のような街」上映情報

バングラデシュのストリートチルドレンを題材に、NGOエクマットラが制作した映画が各地で放映されています。

名古屋の知り合いの方から、今月14日に名古屋大学のキャンパスでも上映されるとの情報をいただきましたので、お時間のある方、是非足をお運びください。

日時:12月14日月曜 18時開演(上演時間82分)

場所:名古屋大学東山キャンパス環境総合館1Fレクチャーホール
地下鉄名城線名古屋大学駅3番出口より徒歩5分
*学内,大学付近は駐車禁止になっております
地図:http://www.nagoya-u.ac.jp/global-info/access-map/higashiyama/
(キャンパスマップ中47番の建物)

入場料:無料(教育機関での上映のため)
*ハルアガットの新センター建設費用のカンパを行います
*エクマットラのグッズ(手作りミサンガ、子どもの写真や絵のポストカード)を販売します

各地での上映情報は公式サイトからどうぞ

後日またお知らせを流しますが、1月は同じく名古屋の千種文化劇場のチャリティーイベントでカタックを踊ります。今回はソロの他にバラタ、バレー、日本舞踊などとの共演もあります。舞台が円形らしく、それに合わせた振り付けを考え中。あのアイテムをインド舞踊以外のジャンルの方と一緒に?というものもあり、私も楽しみにしていますcatface

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お薦めパントマイム舞台 「幻の蝶」

clover日本を代表するマイミスト、清水きよし先生の舞台のお知らせです。

私のカタックの師匠(Srabani Banerjee)を日本によく招待される方です。先日、スラバニさんと一緒に先生の舞台を観てまいりました。心の洗われる、美しい舞台でした。言葉では伝え切れません。。。。最後に詳細を載せますので、お時間のある方、是非足をお運びください。

清水先生の代表作のひとつである凧揚げ(絵本も出版されています)を観たのは、3年ほど前でした。軽やかな身体さばきにうっとり。凧を頑張ってあげる少年の苦労と失意と達成感を気持ちよく伸びやかに表現されていました。

そして先日観た舞台で、今回の公演と同演目をすべて拝見したのですが、スラバニさんと2人でため息をつくばかりでした。はぁ~lovely ほぉ~confident と。学ぶことが一杯ありすぎて。。。。師匠も、ベンガル語で最高のほめ言葉を連発していました。リップサービスはほとんどしないスラバニさんの口からあれだけの言葉が出てくるのは珍しく、感動する師匠のかわいらしい少女のような顔が今でも思い出されます。インドは、実はマイムがかなり盛んな国です。さすが、カタックのみならず、古典舞踊でマイムが重視されるわけだとインドにいたころ感動しました。

清水先生の舞台には、やさしさと知性とメッセージが込められています。誰の心にでも七変化しながらスーッと入り込んでくるメッセージ。長い年月を経て完成されたモノの持つ強烈ながらも柔軟で、ブレのない、時空を超えたメッセージ。客席にいながら、なぜ清水先生がスラバニさんの芸に惚れ込んでいるのかも伝わってきました。お2人の舞台、お人柄、思想、価値観には共通点がすごく多いのです。スラバニさんの舞台が好きな方には更に楽しんでいただける舞台ですよ~ とにかく、美しく、清らかなものしか伝わってこない舞台です。音楽とのシンクロもご堪能ください。何度も観たくなる、そんな舞台です。お見逃しなく!

幻の蝶30周年記念公演 vol.119/120   チラシはこちら

パントマイム 清水きよし                     
音楽・11弦ギター演奏/辻 幹雄
タイトル出演/ あがりえ弘虫

照明/立川直也 舞台監督/木川達也 衣裳/中川雅子
帽子制作/香山まり子 宣伝美術/田中芳男 写真/坂野正人  


●10月31日(土) 19時開演
  11月1日(日)  15時開演

         
●梅若能楽学院能舞台
 
(JR・地下鉄大江戸線:東中野駅徒歩8分・地下鉄大江戸線・丸ノ内線:中野坂上駅徒歩8分)
                
          
前売り:A席/4000円  B席/3000円  C席/2000円

    (当日:A席/4400円  B席/3300円  C席/2200円)
       ◆高校生以下は前売り、当日とも各席1000円引です。

チケットのお申し込みは、tel&fax 0428-22-0422 s-kiyo@yb4.so-net.ne.jp

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Satajit Ray 「見知らぬ人」

Satajit Rayの「見知らぬ人」を観ました

久々にベンガル語一色の世界へ

改めて、「いいですね~ Satajit Ray」の一言です。ベンガル人特有の知性と美とユーモアのあふれる作品。ベンガル映画といえば「大地のうた」がまず頭に浮かびますが、あの中にも、独特の雰囲気がありますよね。

ベンガル映画は、インド映画の中でもその知的さにおいて、際立っていると言われています。そして、欠かせないのが唄です。必ず唄が入ります。ボリウッド映画のあれとは違います。もっと、ぐっと心に入ってくる、シンプルなメロディーにのせた、深い、深い歌詞。大体がタゴールですね。最近は仕事やらカタックやらでタゴール、ベンガル語に携わることが多く、一気にベンガルモードに入ってます。タゴールやコルカタという都市のカタックへの貢献もとても大きいんですよね、実は。

さて、この「見知らぬ人」ですが、35年前に忽然と姿を消した叔父なる人が、ある日突然、コルカタに住む姪に手紙を寄こし、久々に故郷に帰るのでやっかいになりたい、と申し出ます。姪家族は、猜疑心と期待を同時に抱えながらその叔父を迎えます。姪の夫とその叔父の間でおきる衝突、姪とその夫の間に起きる喧嘩、その叔父と姪の子供の間に生まれる微笑ましい関係、登場人物たちの胸に沸き起こる様々な感情を、とても自然な形で表現していきます。最後はあっ、という終わり方なんですがmovie ベンガル社会への辛らつな批判や、またその逆の賛がも込められています。サンタルという少数民族の場面があるところも、ベンガル映画らしいなぁ。

この映画の中で、「この人は本当にあの叔父なのだろうか?」と色々な人がやってきて叔父に質問、というか「尋問」をしていきます。35年も前にいなくなった人を、どうやって本人かそうでないか判断するのでしょう。難しいですね。でも、真実はひとつなんですよね。

映画が終わると、テレビでは、裁判員制度のことを取り上げていました。人が人を裁いたり、白黒をつけることの難しさを、日本国民が、個人単位で直面する日が近づいています。

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変わり結び

着物の帯の結び方は本当に多彩で美しいですよね。

カタックの衣装の一部に、ドゥパタと呼ばれる(他にも色々な呼び方がありますが)長い布があります。ムスリム風の結び方、村娘風の結び方、ヒンズー様式など、これもまた結び方は色々なのですが、着物の帯にはかないません。

先日参列した結婚式で、素敵な変わり結びをやってもらいました。変わり結びは自分ではできないので、訪問着から、美容院でお願いしました。タオルを何本も入れられて、まるで伊達巻のような身体に。。。。周りにはざっと15名くらいの方が着物の着付けをしてもらっていて、帯も着物も色々。勉強も兼ねて、しげしげと眺めてしまいました。あ~、お着物って女性の夢よねぇheart04

二重太鼓にすることが多いので、なるべくシワにならないようにとお願いしたら、ベテランの帯の着付の方も入り、3人がかりで着付けてくださいました。何だか花嫁さんになった気分でしたよribbon 

衿には先日購入した、山口県の小さな工房で作られた、源氏香のデザインのものを。

Eri こういう細かい芸に、和装の美しさや繊細さを感じます。

帯の方のでき上がりはこんな感じ。

Obiwhite

すっきりとした変わり結び。帯にほとんどシワが寄らない結び方らしいのですが、本当でした!ほどいたらシワもすぐにとれて、元通りの形に。すごーいgood

新郎、新婦とも一緒に。

W4 何か緊張しちゃいましたよ。花嫁さん、超かわいいでしょうshine 色白の美人さんで、和装も洋装も何でも似合っちゃう。最近の新婦さんは、ティアラを斜めにかけたり、打ち掛けの衣装のときにも斬新なデザインの花飾りを髪に添えるようですよ。新郎の髪型も今風な感じに逆立ってたりcatface

インドの舞台でドゥパタを着るときは、ほとんど古典的な結び方しかありませんでした。クラシカルな舞台が多かったからだと思います。あとは、スラバニ師匠は古典アイテムが好きだし、衣装もインド女性の古典的な美しさを出すものがお好みだから、かな。私もそうですけど。たまに、演目とそぐわない、ちぐはぐな衣装とか着方のダンサーを見ると、厳しいご批判が。だから、どこの舞台にたっても、「その演目にはこれがいいわよぉ」という師匠の声が聞こえる気がします。逆に、「その結び方はやっちゃ駄目よ!」なんて声もwink 不思議なものです。有難いです。

日本で踊るにしても、どこで踊るにしても、インドやインド人に対して失礼でない気持ちで望みたいといつも思ってます。でも、いつかはドゥパタの変わり結びもしたいものです。ええ、女の子ですからvirgo

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Shiva Lingam?

氷筍というものをもらいました。

氷の筍(たけのこ)。「ひょうじゅん」と読むらしいです。  Water_p1

これ、氷なんです。今何かと話題の黒部で採れたもの。石原裕次郎の映画、「黒部の太陽」の黒部です。最近では舞台もありましたよね。

氷筍は、-3度程度の洞窟内に発生する逆さの氷柱で、上から滴り落ちた雫が瞬時に凍りついたもので、タケノコのような形状をしていることからこの名で呼ばれているそうです。広辞苑にはありませんでした。数千本単位で発生するので、いただいたものも、洞窟からチェーンソーでカットされたもの。これでお酒でも、ということでしょう。ミネラルウォーターとしても売られているのですよ、この氷筍の溶けた水。硬度が高く、カルシウムは平均的な数値の3倍以上もあるのです。

家にあったドライバーで少しずつ割ってannoy、アイスコーヒーとか、ジュースに入れて飲んでますshine 味はよくわからないけど、珍しいし、ミネラルが多いらしいし、楽しいですcatface

Lingam氷筍を生まれて初めて見た瞬間、頭によぎったのは「Shiva lingam」。日本でもリンガ(男根)崇拝の文化はありますが(出雲でたくさん見ました)、ヒンズー教では、Shiva(シバ神)のリンガを崇拝します。生命やエネルギーの象徴なんだと思います。バラタナティアムはもちろん、カタックでもシバ神の舞のときには、リンガを表すムドラを使ったりします。インドのお寺に行くと、リンガが一杯。男性も女性も、未婚、既婚を問わず、花を添え、祈ります。

Icebamboo 思わず私も、前日のお花のお稽古で使ったガーベラを添えてみましたよ。一瞬ね。ほほほ。あとは氷として利用してしまいましたcoldsweats01

Ragini_bhairavi_hd65シヴァ神の妻、パールヴァティ女神は、ヒンズーの女性のお手本みたいな方。夫に献身的につかえる妻。ヒンズー教徒である妻は、家でもリンガを拝み、ココナツや花を捧げます。夫の健康と子孫の繁栄を祈るのです。

Divine_love_of_shiva_and_parvati__2シヴァとパールバティ。うーむ、何とも仲がよいですねぇheart04

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タミルの楽器と踊りのワークショップ&交流会

先日書いたシスター・チャンドラとシャクティの踊り手たちの来日にあわせて、タミルの打楽器とフォークダンスのWS&交流会も開かれるそうです。色々な意味でなかなかないチャンスですので、ダンサーはもちろん、楽器好きな方もふるってご参加ください!

以下主催者の方からの文章です。

ーーーーーーー

今週タミル・ディンディガルから来日する、シスター・チャンドラとシャクティの踊り手たち。

一般向け公演は、11,12,17日に東京で行われますが、
http://sakthi.luci.jp/ (11/11,12)
http://d.hatena.ne.jp/iclc2008/20081030/1225347642 (11/17)
公演に先立ちまして、急遽ワークショップと交流会を設けていただくことになりました。


【南インド/タミルの楽器とダンスのワークショップ by シャクティ舞踊団】

タミルから、シスター・チャンドラとシャクティの踊り手たちが来日します。公演等の合間をぬって、11月9日(日)、ワークショップと交流会を行っていただくことになりました!

カルナティック(カルナータカ音楽)やタミルのお祭り・式典でおなじみの管楽器やパーカッション、タミルで昔から伝わるフォークダンスについてお話を聞いたり体験してみましょう。

会場;臨海町コミュニティ会館 集会室第1
   江戸川区臨海町2丁目2番9号 電話:03-3869-2221
   東西線西葛西駅から徒歩15分位 
   西葛西駅より都営バス「紅葉川高校前」 徒歩1分 
時間:14:00から16:30 (開場 13:30) 
   WS後、そのまま会場で17:30まで交流会を行います。
会費:3500円  (チャイ付き)
※参加者が20人以上になった場合は、3000円にいたします。
交流会は差し入れ大歓迎です。
内容:第一部 楽器部隊による南インドのパーカッションと管楽器のWS
    タヴィル(両面太鼓)by ナガラジャンさん
    ウルミ(両面太鼓)by ラジェンドランさん
    ナーダスワラム(ダブルリードの管楽器)by ヴェライサミさん
   第二部 シャクティの踊り手たちによるタップ太鼓とフォークダンスのWS
    タップ(フレーム・ドラムの一種)の説明・実演
    タミルナードゥ州のフォークダンス
    少しステップを習って、実際に生の音に合わせて踊ってみましょう!

申し込み:(1)お名前 (2)当日連絡のつく携帯等の電話番号/メールアドレス をお知らせください。

メール sakthi.ws@gmail.com 

講師の方に質問してみたいこと、ご希望等もあればお書き添えください。
お問い合わせもお気軽にどうぞ。

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「シスターチャンドラとシャクティの踊り手たち」公演

来月、南インドのタミール・ナドゥから、シスターと踊り手が来日公演されるそうです。HPへのリンクものせてありますので、ご興味のある方は、是非足をお運びください。インドのといえば「カースト」制度が頭に浮かぶ方も多いと思います。生まれる前から決まっている身分制度。インドに長期で滞在された方であれば、私たちからすると不合理なその制度を目の当たりにしたこともあるのではないでしょうか。今回はダリット(不可触民、被差別カースト)に生まれた踊り子さんと、彼女たちを支える修道女(シスターChandraさん)が来日されます。海外の映画祭でも紹介、受賞しているドキュメンタリー映画 「シスターチャンドラとシャクティの踊り手たち」 も一部公開されるそうです。

私も、コルカタで、ダリットではありませんが、やはり社会の低層部で生きる、売春婦の子供(特に女の子)たちのお世話に携わってきました。今回の来日のことをきき、また彼女たちとのことが脳裏に甦ります。

知人が、New LightとNGOを設立し、Kalighatの売春街に住む売春婦とその子供たちの面倒をみています。街といっても、本当に狭い道なんですよ。両手広げたら壁に手がぶつかるくらい。長さはそんなになかったけど。そこに、信じられないくらいたくさんの子供たちが生活しています。父親がいるケースもあれば、父親が誰だかわからないケースもあります。とにかく貧しい。母親たちは疲れ果てた身体と表情とは対照的な派手なサリーと装飾品をまとい、夜な夜なあの曲がり角で客引きを。お客を接待するのは二畳ほどの部屋。子供たちは、生まれたときからその部屋で生活しているケースもあるんです。働くお母さんの姿を見ながら。

売春婦の子供ということと、父親がいないということで、学校にも行かれません。母親たちが教育を受けていないため、入学に必要な出生届けを出すとか、そういうこともしていないんです。もちろんHIV検査も、友達がNGOを作るまでありませんでした。

サザンの歌で、「悲しみはメリーゴーランド」という曲がありますが、あれは在日朝鮮人の、代が代わっても変わらない差別問題を扱ったものだと誰かから聞いたことがありますが、この売春街もいっしょです。教育を受けず、他の子供たちと交流のない子供たちは、よほどのことがない限り、女の子たちは母親と同じ道を歩むことになります。だって、それ以外の世界を知らないのですから。いつまでも、いつまでも回り続けるメリーゴーランド。

それを止めるために、友達は立ち上がりました。売春街の終わりに、子供のための学校を作りました。そして、子供たちを公立の学校に通わせることになりました。母親が働いている間、子供を預かり、学校の勉強に遅れないように家庭教師をつけます。また、年頃の女の子たちを母親から隔離し、安全な場所に住まわせています(もちろん母親と警察の許可をとって)。私はそこで英語を教えていました。でも、もう大変。今まで勉強してこなかった子ばかり。15歳にして始めて文字を覚えるのです。結局、英語ではなくベンガル語やヒンディー語の読み書きを教えたり、おしゃべりを聞いてあげたり、母親のいない小さな子をあやしたり。でも、必死で何かを掴もうとする彼女たちは、英語も彼女たちなりに頑張っていました。英語ができれば、何か仕事が手に入るかもしれないから。。。それは、とてつもなく長い道のりであり、不可能に見えるもの。でも、例え良い仕事につけなくとも、高校を卒業できれば、それはコルカタでは立派なことです。母親と同じ道を歩みたくない、という気持ちは、無言でも伝わってきました。

アメリカで活躍しているカタック・ダンサー、Pt.Chitresh Das Ji は、この子たちにカタックを教えています。Das氏がコルカタに来るとランチとかに呼んでいただいたりして、そのときに彼女たちのクラスも見学させてもらいました。友達から、氏がいないときには私からも教えて欲しいといわれましたが、スタイルが全く違うので、混乱させてしまうので、私は遠くから彼女たちを見守ることにしていました。英語を教えに行くたびに、「こんな踊り習った!」「このBol知ってる?」と言って、嬉しそうに踊る彼女たちを見るのは嬉しかった。ヒンズー教の子がほとんどだったので、やっぱり神様の踊りは大好き。そしてステップとチャッカルを一生懸命に練習していました。みるみるうちに上手くなる子もいたなぁ。とにかく、踊るときの彼女たちは生き生きしてます。

でも、メリーゴーランドはなかなか止まるものではありません。一瞬止まっても、また動き出す。彼女たちの中で、飛びぬけて踊りの上手かったネパール系の子は、友達が悪かったのでしょう、麻薬販売に携わっている男性にだまされ、施設を飛び出して行き、最終的には捨てられ、今は売春婦となってしまいました。まだ、たったの16歳くらいだった。いくら施設に入っても、その生まれと、蓄積された習慣はなかなか身体や心から抜けないもの。でも、英語を学ぶのも一番真剣で、いつもノートに、英語で言いたいフレーズをベンガル語で書いて、私に聞いてきたものです。いい子だったのに。彼女だったら、最低限の英語を話せるようにしてあげられたと思うと、悔しい。踊りも、天性のものを持っていました。それは、Das氏も見抜いていたと思います。だから、悲しみは2倍でした。

シスター・チャンドラも、ダリットの少女たちに関わることで、色々な苦労をされていると思います。善意でやっていても、社会にはそれを利用とする大人たちがいるし、カーストというものはぬぐえないもの。受け止めて生きていかないといけない。私には、その苦しさから改宗した友達もいます。でも、白紙にすることはできない。そして、日本にだって、まだ、同じ問題は残っていますよね。識字率が100パーセントにならないのは、決して外国人がいるから、という理由だけではないのです。日本人だけど、学校に行かれず、文字を書けない若者がまだ存在するんです。

以下、公演の案内文をそのまま貼り付けしてあります。1人でも多くの方に、このような活動を知ってもらえたら、と思います。

2008年11月11日(火)・12日(水)

    『第一回公演 15:00』
    『第二回公演 18:30』
    『入場料』  3000円


初めて日本の地を踏む、シャクティの踊り手たち。
南インド・タミルナード州からやってくるダリットの少女たちと、
一人の修道女。

人はなぜ踊るのか。
2000年にわたるダリット(不可触民)の喜びと怒りと悲しみを背に、
少女たちは力強く、清清しく、潔く、踊る。
彼女たちを集め、育て、見守るシスター・チャンドラ。
今回、日本社会貢献支援財団によって
シスターの功績が表彰されるのを記念しその活動を紹介。
踊り手たちが、インドを震撼させた踊りを披露します。

時空を超えた、不思議な出会いがあります。

彼女らはたくさんの制圧の中で唯一踊ることだけが許されている人たちです。
日本に来て何かを感じて欲しいと切に願い日本に来ます。

インドに何かを感じている人は見に行ってください。
必ず内なる何かを発見できると思います。


          2008年第41回ワールドフェスト・ヒューストン国際映画祭
                長編ドキュメンタリー部門金賞受賞
                南アフリカ国際映画祭招待作品
                国際宗教映画祭招待作品
       ドキュメンタリー映画
          「シスターチャンドラとシャクティの踊り手たち」
                            一部上映

公式ホームページ
http://sakthi.luci.jp/

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明日は「おわら風の盆」

やってきました、やってきました、「おわら風の盆」。いよいよ明日幕開けです。

知り合いの八尾の方のおうちで観ることが可能になり、一晩中流しが聴けることにnote

うわさには聞いていましたが、本当に全国的に有名なお祭りらしいですね。八尾という小さな町に、お祭りの3日間で全国からのべ25万人くらいが殺到するのです。

小さな町のお祭りなのですが、これがすごいのですよ。おわら節の歌詞は粋で、情緒があり、面白かったり、艶かしかったり。即興でその場その場で歌い手が作ることもあります。それを支える楽器に、三味線や太鼓や胡弓(中国の二胡とは違いますよぉ)。おわらの踊りも美しいですね。男踊りは力強く、女踊りは色気が漂います。歌、踊り、楽器(まさにSangeet)が、夜中町の中を静かに練り歩くのです。これを「流し」といいます。そう、楽器も肩から紐を下げたり、腰に紐を巻いて支えながら弾くのです。すごい技術が要ります。八尾町の人々は、小さいときから踊りと歌と楽器の技に磨きをかけます。一年のこの3日のために。町中の芸術家が切磋琢磨している場所が日本にあろうとは、富山に来るまで知りませんでした。

いや、邦楽や日本舞踊をやっている東京の知人からは、「富山といえばおわら風の盆でしょう!富山にいる間に絶対観ておいで!」と聞いてはいましたが。

百聞は一見にしかず、ですね。

なかなかよい映像をYou tubeで発見。こちら 沿道にいる人は県外の人がほとんどだと思います。この人数は序の口。

殺到する全国からのファン。先日、前夜祭にも誘われて観てきましたが、前夜祭でもすごい人数の見物人。東京から大阪から九州から。本当に全国からまるで砂糖菓子に群がる蟻のように、越中八尾まで人が押し寄せる。

特に中高年の方でおわらにはまっている人が多いようです。

1985年、直木賞受賞作家の高橋治が書いた「風の盆恋歌」を読み、何かを思い出したり感じた大人たち。1989年、多くの芸術家と同様にオワラと八尾に「はまってしまった」なかにし礼が作詞、石川さゆりが歌った「風の盆恋歌」。その歌詞と胡弓の音色に魅せられて、大人たちは越中八尾に向かう。一度行くと、まるで麻薬のように、また来年も。。。となってしまう。

その情景が頭に浮かびます。そう、演歌世代の人にはぐっとくるものがあるはずです。演歌は、カタックダンスでも踊られるペルシア発祥のGhazalに通じると私は思っています。どれも似たような歌詞なんだけど、でも、やっぱり歌詞とメロディーに込められた人間の思いに、何世紀も人は惹きつけられている。

石川さゆりの「風の盆恋歌」は以前から好きな曲だったのですが、これが越中の八尾のこのお祭りを題材にしたものだったとはつい最近まで知りませんでした。確かに、高橋治の小説を読んでみると、まさに歌詞と一致している。「そう、そういうことなのね。だから今でもよく流れ、唄われるのね」と納得。

小さなあの町にどうやったら一晩に何万人も入るのか?想像できません。明日は浴衣着て、その混雑ぶりも観てきまぁすwink

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劇団SCOT

先日、噂の劇団SCOTの「サド侯爵夫人」を、演劇好きのTさんと観にいきました。

噂にはきいていたSCOTですが、さすが、舞台芸術の盛んな富山を代表する劇団。素晴らしかったです。寒さのため体調がすぐれず、もうちょっと舞台に集中できればもっと楽しめたのに。。。うー、北陸の秋は、インドで約4年過ごした身体にはコタエルweep 冬になったらどうなってしまうのか。。。これも、経験できるのもあとわずか。東京に戻るまで存分に楽しむことにしましょう。

三島由紀夫の原作を読んでいないのですが、あの、知性と人間のドロドロとした本質が流れる三島ワールドを忠実に再現した舞台だったのではないでしょうか、と想像しています。役者の衣装や動きは最低限のものに制限され、言葉が強調されていました。純粋に言葉の力の溢れる演出。

この舞台は、合掌作りの家を舞台用に改造したもので、本当に素敵な空間!床もすべすべで、会場も丁度良い広さで、カタック向きの舞台だなぁ、と思いました。木のぬくもりあふれる、落ち着いた空間。

中高時代の親友は、三島狂で、年がら年中三島の本を読みあさっていました。私はひたすらロシア文学だったなぁ。三島の作品を改めて読み直したい、と思った夕べでした。

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